Public Memo For Me

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読書メモ:知的複眼思考法 誰でも持っている創造力のスイッチ

これから文系学部に入学しレポートを書く人たちに向けた書かれた本、という感じではあったが、小論文を書く高校生から社会人1、2年目の方が読んでも十分にためになる本であった。

ただ、10年近くシステムに関するレポーティングを生業にしている私にとっては、少し物足りないと感じる部分もあったものの、「同じ事柄でも概念(ネーミング)の付け方のよって事柄の捉え方が変わる」は、目から鱗であった。

概念で問題を捉えるとはどういうことか?

例えば、ある少年が他の少年に対して暴力を振るったりカツアゲをしたりする事象があったとする。これを単純に「恐喝」や「暴行」という概念で捉えると、犯罪だから加害者に対して厳罰すべし、といった感情が湧く。これを「いじめ」と捉えるとどうだろうか。加害者のメンタルケアや家庭環境に考えが及ぶようになる。

このように同じ事象であっても、概念の付け方(私の言葉だとネーミング)によって事象に対しての捉え方が変わってしまう。もう少し踏み込むと、ネーミングの仕方によっては、狙っていない方向に人を扇動してしまう可能性があるということだろう。

以上が本書から私が得た内容である。なんとなくではあるが、「著者の狙い」と「当方が感銘を受けた部分」が大きく異なっているように感じるが、これも複眼的に読めたと言えるのではないか。